巻菱湖 肖像『江戸文人寿命附』より / 巻菱湖記念時代館 蔵
巻菱湖 肖像『江戸文人寿命附』より / 巻菱湖記念時代館 蔵

新潟に生まれた 日本一の書家・巻菱湖
書道を学問として成立した巻菱湖は、文字学者で漢詩人だった

巻菱湖(1777〜1843)

巻菱湖は江戸時代後期を代表する書家・漢詩人・文字学者。幼少時は新潟町で育ち、寺の住職に書の手ほどきを受けた。後に江戸で亀田鵬斎に書法と漢詩を学び、31歳のとき書塾を開いた。書は主に中国の晋唐の碑版墨帖を学び、篆書・隷書・楷書・行書・草書・仮名・飛白の7体を巧妙に書くことが出来た。51歳のときの京都巡遊にて諸先人の書を拝観し、影響を受ける。特に空海と近衛家熈の影響は大きく、そのことが記されているものが法帖として現存している。晩年、書塾の門下生は1万人を超え、明快で端麗な書風は「菱湖流」と呼ばれ広く書の手本として用いられ、没後も書道教科書の主流となり、国が定めた書道手本となる。その他にも文字の学問を修め、日本で書道を学問(十体源流)として成立させた唯一の人として当代随一の書家となった。

巻菱湖記念時代館

巻菱湖記念時代館は、江戸時代後期を代表する書家・巻菱湖の書を中心に、日本の文字文化、木版文化の研究、展示施設です。

テーマに沿って年に数回入替展示しております。詳しくは巻菱湖記念時代館サイトからご確認ください。